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「さよなら英文法!多読が育てる英語力」

刺激的な題が目にとまり、手に取った。多読によって英語の文法を意識しないくらいまで力を高め、文法に「さよなら」するための指南書かと思い、読んでみた。 なるほど、と思う点も多々あった。私もいまだこの程度の実力だが、趣味や仕事でかなりの量の英語を読んできたつもりで、「多読が英語力を育てる」というのは、まったくその通りだと思っている。今の…
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「ゆらこめ」 (読んだ本)

クラシック音楽のCD評を綴った「ゆらむぼの部屋」というサイトがあった。ある日久しぶりに訪れたら、そこに書かれていたのは「ゆらむぼ」さんが急逝したという家族の方の文だった。 気に入っているサイトの更新が途絶えただけでも、書いている人に何かあったのだろうかとちょっと心配になるが、筆者が亡くなるとは衝撃というより他にない。我が目を疑った…
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マイクル・クライトンを悼む

少し前になるが、「ジュラシック・パーク」の原作者で、TVドラマ「ER」の制作にも関わっていた作家マイクル・クライトンが亡くなった。まだ66歳、現役で新作の発表を続けていただけに驚いた。 オフィシャルサイトにも "Best-selling author Michael Crichton died unexpectedly" とある。…
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「推理小説の誤訳」

これも週末に手に入れたものだが、手厳しい本である。アガサ・クリスティーのさまざまな翻訳に見られる誤訳を、翻訳者の実名をあげて具体的に論じたものだ。歯に衣着せぬ指摘は、著者が弁護士であり、つまりは翻訳業界と無関係であることにもよるのだろうか、と思った。 私も読んだことがある翻訳や名の通った翻訳者が次々と登場するが、かなり初歩的なミス…
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充実の「アンカーコズミカ英和辞典」

今年1月に出た新しい辞書である。この週末に購入したが、すばらしい内容だと思った。これまで何回か、辞書で気づいた不適切と思える訳語や説明を私は取りあげてきたが、この辞典を見ると、そのいくつかについて納得のいく記述が書かれていた。さらに、他の辞書にないような斬新な説明や工夫も見られる。 きっかけは、書店で何気なくこの辞書を手にして、先…
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英訳「奥の細道」を読む~月日は百代の過客

先日、ドナルド・キーンによる「奥の細道」の英訳を手に入れ、他の翻訳とも比較しながら読んでいきたい、と書いた。そこで、かの有名な冒頭「月日は百代の過客」のくだりを読み比べてみた。 月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也。舟の上に生涯をうかべ馬の口とらえて老をむかふる物は、日々旅にして、旅を栖とす。 どんな作品であれ、冒頭の「つ…
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英訳「奥の細道」

ドナルド・キーン氏が訳した英文「おくのほそ道」が文庫化されているのを見つけ、さっそく購入した。奥付を見ると出版されたのは1年前だが、これまで気がつかなかった。古典はからきし駄目な私だが、この名作は例外的に心ひかれる作品であることは、以前ちょっと書いたことがある。 非日本人にも訴えるものを持っているのだろう、キーン氏以外にも複数の英…
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「中世の東海道をゆく」

最近の新書は、「手軽に読める」というべきか、「お手軽な内容」というべきか、そんな傾向を強めているように思う。この本も、古典などを引用して古き日本に読者をいざなう、といった肩の凝らない内容を想像して手に取ったが、いい意味で裏切られた。小さいが中身の詰まった、かつての新書を彷彿とさせる、読みごたえのあるものだった。 13世紀のある人物…
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オーウェルの英語指南

George Orwell の作品といえば、「動物農場」や「1984年」のほか、エッセイをいくつか読んだことがある。ほとんどは翻訳であるが、原文で読む場合は、前回触れた「象を撃つ」 Shooting an Elephant のような短い作品の方がとっつきやすそうだ。とりわけ英語学習者にとって、彼の "Politics and the E…
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誰が見張りを見張るのか(Who watches the watchmen?)

最近出版された「こんなに使える経済学」という新書本を読んでいたら、次のようなくだりがあった。ここから連想したのが、ラテン語に由来する「監視者は誰が監視するのか」という言葉である。手持ちの辞書には載っていないが、英文でもたまに目にすることがある表現だ。 「こんなに使える経済学」にあった文章とは、 従業員が完全に不正行為をしない…
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「生物と無生物のあいだ」

話題になっているので手に取ったが、個人的にはどう評したらいいのか困る本であった。よく理解できない部分と、引き込まれるようにして読んだ部分との落差が大きすぎる。また著者も、名文家なのか、ある種気取った文章を書くだけの人なのか、どちらともいえるようで、正直よくわからなかった。 理解できない部分については、ひとえに私が根っからの文系人間…
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「借りた時間を生きる」とは?

先日、SF作家クラークが死去したことについて書いたが、彼の作品「2001年宇宙の旅」の翻訳にちょっとひっかかる部分があり、それをきっかけに覚えたイディオムがある。これまでも書いたことがあるが、こういった形で単語や表現を覚えることが時々あって、翻訳者に対して意地悪といえば意地悪である。 その部分とは、次のようなものだ。 これら…
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追悼 アーサー・C・クラーク

少し前に取り上げた「幼年期の終わり」の作者アーサー・C・クラーク Arthur C. Clarke が亡くなった。私にとって、子供の頃からその作品を読んできて、いくつかは原書を手に取り、英語に親しむ上でも助けになったSF作家である。 どの作品も、舞台は基本的に現在あるいは近未来の地球で、荒唐無稽な設定はほとんどない。特にSFに興味…
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「ドリアン・グレイの肖像」の名言

先日、where と end と start (begin) を使えば「どこまでが○○で、どこからが××か」という日本語を表すことができそうだと書いた。この単語の組み合わせで、もうひとつ頭に浮かんだ言い回しがある。例として、オスカー・ワイルドの小説「ドリアン・グレイの肖像」 The Picture of Dorian Gray の第1章…
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war to end all warsって何だ?

アメリカ大統領選挙では、クリントン候補が挽回したとたん「オバマ候補の人気に翳り」といった記事が続出したのには面食らったが、それはともかく、先日の TIME 誌に "The Primary to End All Primaries?" というタイトルの関連記事があった。この X to end all Xs は一種のイディオムであり、直訳す…
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ホームズ全集の新訳が完結

一昨年から出版されていたシャーロック・ホームズの新しい文庫本全集が完結した。訳したのはホームズに造詣が深いプロの翻訳家だが、「おたく」的な脚注を避け、広く一般に読んでもらうことを目指したという。訳者による解説には、「ホームズもの」をめぐる翻訳観も書かれていて興味深かった。 最初の配本「シャーロック・ホームズの冒険」の解説で、訳者の…
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アルファベットの頻度(etaoin shrdlu)

1年前に「わら人形」について書いたが、この言葉から頭に浮かんだのが、コナン・ドイルのホームズもの短編「踊る人形」である(単純な連想で、直接の関係はまったくない)。ネタばれになるので詳しくは書かないが、この中に「アルファベット各文字が使われる頻度」についての話が出てくる。面白いテーマなので、ちょっと調べてみた。 まず、この "The…
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transcriptionと「幼年期の終わり」とバッハ

前回の関連である。「幼年期の終わり」を再読したら、登場人物が最後にバッハに耳を傾ける場面があるのに気づいた。実は、同じクラークの「2001年宇宙の旅」にも似たシーンがある。人類の黄昏にはバッハが似合うと作者は考えているのだろうか。そう思いつつ、何の気なしに3種類ある「幼年期」の訳書を比べたら、この場面にある transcription …
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新しい「幼年期の終わり」

「カラマーゾフの兄弟」が何かと話題の光文社古典新訳文庫から、名作の誉れ高い「幼年期の終わり」 Childhood's End が出ているのを書店で見つけた。私は高校生の時に初めて読み、社会人になってから原書でも読んだ作品だ。SFというジャンル、しかも1953年発表という新しい作品をこの文庫が取り上げたことにまず驚き、さらに中身を見て、実…
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Gravity(読んだ本)

宇宙と地上を舞台に、いわゆる「バイオハザード」を扱ったサスペンスである。アマゾンの読者評を見ると、「アポロ13」や「エイリアン」、また「アウトブレイク」や「ER」の要素をあわせたようなもの、とあり、何となく内容を想像していただけるだろうか。私はマイケル・クライトンの初期の作品「アンドロメダ病原体」も連想した。以下、多少のネタばれがある。…
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「陰の季節」(横山秀夫)

短編「陰の季節」は、私が初めて読んだ横山秀夫の小説だ。ひと昔前、海外の出張先に持っていった雑誌に掲載されていた。何気なしに読み始めたが、すぐに引き込まれた。犯罪ものではあるが、その設定が何とも意表をついたものだったからだ。 ここに出てくるのは、大都会に蠢く犯罪者を追うカッコいい刑事ではない。かといって、登場人物の個性や独特の趣味な…
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「新英文読解法」

「勉学の秋」の深まりにあわせて、今回は英語の学習書を紹介してみたい。怠け者の私は日々の英語学習は疎かにしているので、その埋め合わせにと、何年かおきにまとまった学習書を通読するようにしている。通勤電車やトイレタイムなどの時間も利用して、集中的に1冊を読み通す。 こうした復習に使うのは、フレーズ集のたぐいではなく、やはり体系的に整理さ…
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英訳版「沈黙」から拾った表現・その1

このほど読んだ遠藤周作「沈黙」の英訳版 "Silence" から、目についた表現をいくつかあげていくことにしよう。日本語作品の英訳なので、読みながら印をつけたのは英語として面白い言い回しというより、「原作ではどうなっているのだろう」という興味を持ったものが中心となり、読了後にまとめて原文と比べてみた。 まず、本文に先立って置かれて…
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英訳版「沈黙」(遠藤周作)

本は放っておくと増える一方なので、折に触れて処分するようにしているが、ページがすっかり黄ばんだ遠藤周作の「沈黙」は、ずっと本棚にある。高校生の時に初めて読み、凄い小説だと思った。この作品をマーティン・スコセッシ監督が映画化する予定だと聞いたので再び興味を持ち、今回は英訳のペーパーバック "Silence" を手に取ってみた。 「島…
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コヴェントリーにまつわる英語(その1)

さいとう・たかを の劇画「ゴルゴ13」を長年読んでいる。国際情勢に題材を取ったストーリーが多く毎回楽しんでいるが、いま連載中のエピソードは、第2次大戦中のドイツ空軍 Luftwaffe による「コヴェントリー空襲」にまつわる俗説を扱っている。 イギリス政府はナチスの暗号を解読して事前に空襲計画を察知したが、解読する能力があることを…
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『英語学習7つの誤解』

夏休みの旅先で読んだ新書である。何か持っていこうと出発の前日に書店をぶらぶらしていたら、出版されたばかりで平積みになっていたのが目にとまった。こうした「英語学習法」系の本を私はほとんど読まなくなったが、値段も手頃なので買い求めた。 著者は、「英語学習の誤解」として、次の7つをあげている。 1.英語学習に英文法は不要である …
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「老人と海」で学んだ英語

海にちなんだ話の流れで、今回はこのヘミングウェイの小説にまつわる思い出について書くことにする。中学2年生の時、初めて買った数冊の洋書のひとつが、この "The Old Man and the Sea" だった。確か Penguin 版のペーパーバックで、表紙には Spencer Tracy 主演の映画のスチルが使われていた。 もち…
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『「エコノミック・アニマル」は褒め言葉だった』

「誤解と誤訳の近現代史」というサブタイトルが示すように、言葉にまつわる「歴史秘話」的な本である。 例えば、日本について外国人が語った「日本人は12歳」「エコノミック・アニマル」「ウサギ小屋」について、その由来を調べたところ、日本人の間で広く受け取られているのは違って、もともと否定的な意味あいはなかったのだという。 以下、ネタ…
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「エントリ」か「エントリー」か

entry にはいくつかの意味があるが、ブログの個々の日記を指すのにも使うことができ、日本語でも「エントリ」と呼ばれている。 言葉についての鋭い観察をブログに綴っていらっしゃる実務翻訳者のたんご屋さんが、最近この「エントリ」について書いておられる(カタカナを好まないというたんご屋さんは、この言葉を避けて「記事」を使っているという)…
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「夕凪の街 桜の国」

私自身が親となった年に8月がやってきたとき、子供の寝顔を見ながら、ぼんやりと思った―自分が親と決定的に違うことがある。それは、戦争について自分の子供に語るべき直接の体験を持ち合わせていない、ということだ。 戦争中、私の両親はまだ子供だったうえ、田舎の街に育ったので、空襲を受けることもなかった。それでも、空襲警報の際の恐怖や耐乏生活…
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