テーマ:日本語

英語よりも日本語?(「英語の授業は英語で」その5)

英語教育の充実が唱えられると、一方で「むしろ日本語をしっかりやるべきだ」という意見が必ずといっていいほど出るように思う。今回「高校の授業は英語で」という方針が示された時も、やはりこうした声をあちこちで見聞きした。 私には、日本語と英語を二律背反のものとしてとらえる見方がどうも不思議なものに感じられる。前回書いた、高校時代の英語教師…
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英語の先生の思い出(「英語の授業は英語で」その4)

「高校では英語の授業を英語で行う」という新学習指導要領について続ける。ある教科への興味が増すかどうかは、習った先生に影響を受けることがあると思うが、その点で、私は高校の時に教わったある英語の先生にいまでも感謝している。 先生は普段から大量の英文を読んでいて、職員室の机には英語の本が積み上げられていた。そして、英語や内容の面で役に立…
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「英語の授業は英語で」(その3)

学校英語でもっと「聞く・話す」に力を入れなくてはならないと主張しつつも、英語で授業を行うことに反対している人がいると前回書いたが、その理由は端的にいって「ネイティブの英語ではない」ということにあるようだ。日本人の英語を聞かせたところで、どれくらいの意味があるのか、むしろ害の方が大きいのではないのか、というわけである。 私の経験は限…
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「英語の授業は英語で」(その2)

「高校では英語の授業を英語で進める」という新しい学習指導要領案について、私は前回書いたように、とりあえずやってみる価値はあると思っている。逆にいうと、手放しで賛成しているとか、うまくいくだろうと過度の期待をしているわけではない。歯切れは悪いが、条件つきであるにせよ、ともかく試してみてはどうか、という考えである。 またこれも前回書い…
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「英語の授業は英語で」

少し前に報じられたことだが、高校の新しい学習指導要領案で「英語の授業は英語で行う」という方針が打ち出された。私の周囲でも先日ちょっと話題になったので、これについて自分なりに考えてみたい。 印象論で思いつくままに話を進めるのは簡単だが、それは慎むべきで、やはり内容を把握しなければならないと考え、まず文部科学省のサイトで新学習指導要領…
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「ザナドゥ」と「キサナドゥ」(「桃源郷」その4)

前回の Shangri-La 同様、英語学習とは別のところで覚えた単語をもうひとつ。私が大学生の時、「ザナドゥ」 Xanadu という映画のサントラがヒットした。この名が、当時営業していたディスコや60年代のヒット曲に使われた「キサナドゥ」と同じであることは、すぐにはわからなかった。 辞書で意味と由来を確かめてみよう。 - …
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celebrity と「セレブ」

celeb をめぐってさらに続ける。「セレブ」という言葉を聞くようになって久しいが、私がこの日本語を誤解しているのでなければ、celebrity と必ずしも意味が同じではないので注意が必要だ。前回の cause célèbre で見たように、この単語は famous という意味が基本にある。 - 1. …
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日本語が変わってきている?

新聞でも取り上げられていたが、先日発表された文化庁の「国語に関する世論調査」を面白く読んだ。特に慣用句については、正しい用法が少数派になっているものがあり、そのいくつかは多分遠くない将来、誤っている方が正しくなるのだろう。もしかしたら日本語が変わりつつある過程に立ち会っているのかもしれない、とも思う。 文化庁のサイトに掲載されてい…
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「シューテム・アップ」~カタカナの題名

小さい子供がいるので休日といえばもっぱら家族サービス、なかなか映画館に足を運ぶことができない。仕方がないので、時々新しい映画の題名をネットや雑誌等でぼーっと眺めることになる。最近、「シューテム・アップ」という封切作があるのを見つけ、はて、こんな英語あったっけと首を傾げた。派手な銃撃戦を描いたものだという短い説明を読んで、初めて原題が想像…
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「生物と無生物のあいだ」

話題になっているので手に取ったが、個人的にはどう評したらいいのか困る本であった。よく理解できない部分と、引き込まれるようにして読んだ部分との落差が大きすぎる。また著者も、名文家なのか、ある種気取った文章を書くだけの人なのか、どちらともいえるようで、正直よくわからなかった。 理解できない部分については、ひとえに私が根っからの文系人間…
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カッコのつけ方を考える

日本語の文章を読んだり書いたりしていて、時おりカッコの使い方が気になることがある。英語の文でも挿入や補足などの際にカッコが使われることがあるが、それとの比較で、よけいに「これでいいのかな?」と思うのかもしれない。 この問題を取り上げようと思ったのは、いま読んでいる本に気になる例がいくつも出てきたからだが、内容とは直接関係ないことな…
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「借りた時間を生きる」とは?

先日、SF作家クラークが死去したことについて書いたが、彼の作品「2001年宇宙の旅」の翻訳にちょっとひっかかる部分があり、それをきっかけに覚えたイディオムがある。これまでも書いたことがあるが、こういった形で単語や表現を覚えることが時々あって、翻訳者に対して意地悪といえば意地悪である。 その部分とは、次のようなものだ。 これら…
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high fiveと「ハイタッチ」の謎

仲間と手のひらを掲げて叩きあう例の動作のことである。日本語では普通「ハイタッチ」と呼ばれていると思うが、私が見た範囲の英和辞典は、多くが「ハイファイブ」という訳をあてていた。個人的には聞き慣れないうえ、出版社が違うにもかかわらず、この訳語ばかり辞書に載っているようなのはなぜなのか。 カタカナ語辞典もいくつか書店で見てみたが、「ハイ…
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「砲艦」ではないgunship

先日からの流れで、意味を間違える恐れがありそうな軍事関係の英単語についていくつか書いてみよう。まず取り上げたいのは gunship である。字面を見て「砲艦」と取る人もいるのではないだろうか。しかしこの「船」、実は空を飛ぶ。 - an armed military helicopter or other aircraft - a…
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混同しがち?な「戦艦」と「軍艦」

このところ軍事関係の単語について触れているが、英文記事を読んでいるとこうした語彙が自然と増えてくるのは、各地で紛争が絶えないからだと悲しむべきか。今回は、実際に見聞きしたこの分野の誤解や誤訳について書いてみたい。まずは湾岸戦争だったか、アメリカ軍の艦艇を同時通訳が「戦艦」と呼んでいたのを聞いた記憶がある。 「軍艦」 warship…
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「じゃんけん」とアメリカ大統領選挙

先日、「ヘラルド・トリビューン」紙のサイトで読んだ記事から bellwether という単語を紹介したが、同じ日に同紙で読んだもう一つのスーパーチューズデー関係の記事が "Rock, paper, scissors" である。大統領選挙の候補者をじゃんけんの「グー、チョキ、パー」にたとえているのがおもしろい。 マケインを石、クリン…
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冷たくても「湯気」というのか、およびlegendについて

勤め先にあったある新聞の社会面に、幻想的な写真が載っていた。見ると朝の霞ケ浦を撮影したもので、放射冷却のため北関東がこの冬一番の冷え込みになったと報じるものだった。説明には「厳しい冷え込みで霞ケ浦の湖面から立ちのぼる湯気」とある。 これを読んで、はて、こういうときにも「湯気」というのだろうか、と思った。冷え込みの話だけに、かえって…
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「悪魔化する」って何だ?

devil にちなんだ表現を書いてきた流れで、「悪魔」がらみの別の単語を取り上げよう。以前、ある翻訳を読んでいたら「悪魔化する」という言葉が出てきた。別に宗教やオカルトの本ではない。原文が透けて見えるような訳を見るとこちらの方が悲しくなってしまうが、ためしに手持ちの辞書で demonize を引いたら、似たような訳語ばかり書かれていて、…
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「思う」についてさらに思ったこと

週末ということもあり、前回書いた「~と思う」について、もう少しとりとめもないことを書くことにする。その昔、英会話のテキストの日本語訳を読んでいて、特に直訳がすぎるわけではないのに、どうも不自然だなと感じたことがあった。少しして、文の最後がすべて言い切り調になっていて、「思う」の類の言葉がないことに気づいた。 もちろん状況によるのだ…
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ちょっと気になった「思います」の連発

日本語では文の最後を「~と思います」といった言葉で締めることがよくある。使いすぎると、自信がない、あるいは確実でないという印象を与えかねないが、日本の言語あるいは文化の特徴だとすれば、一概に否定的にとらえるべきでもないだろう。しかし最近、これはどうも、と感じた例を立て続けに聞いた。 通勤途中で寄ったある店で商品を眺めていたら、近く…
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外国生まれの日本人は「帰国(return)」するのか

北朝鮮による拉致事件にからんだ英語についての話を、先日に続いてもうひとつ書くことにする。蓮池さんと地村さん両夫妻が帰国したあとも、その子供たちは北朝鮮で暮らしていたが、1年半以上して出国を許され、親の元に戻ってきた。これを「帰国」と当時報道したマスメディアが多かったと思うが、これは適切なのか、また、英語で"return"と表現していいの…
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relativeは「親類」か?

最近、北朝鮮に拉致された日本人の家族会がアメリカを訪問した。これに関連して、relative という単語について書いてみたい。familyを「家族」、relativeは「親類」と覚えた人は多いだろうし、英和辞典にもそう書かれている。果たしてそれでいいのだろうか。 ふつう「親類」という場合、「家族」に比べるとより距離があり、より広い…
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「チェック」ではないcheck

今回も遠藤周作の名作の英訳 "Silence" からだが、これは面白い表現というより、人によっては「意外な意味を持つ単語」にあたるかもしれないと思われたものなので、取り上げることにする。 But now, when the children threw stones and the bonzes shouting in deris…
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英語になった日本語?「助平」

前回書いた「英語に入った日本語」にからんで、もうひとつ思い出したのが skivvy である。複数形で男性用下着の一種 (men's underwear consisting of an undershirt and shorts) を表す。辞書を見ると由来不明とある。しかしこの単語、日本語の「助平」から来たという、驚くべき(?)説がある…
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英語になった日本語「少し」

先日書いた中国語由来の gung ho や、以前取り上げたアラビア語からの the mother of all... のように、戦争は外国語の単語や表現が取り入れられるきっかけとなってきたようだ。日本語も例外ではない。比較的有名なのは、「班長」に由来する honcho だろうか。 1947, Amer.Eng. "officer …
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invade は「侵略する」か?

このところイラク戦争にからんだ内容を書いているが、この戦争が始まったころ、「アメリカでは invade と表現するなど否定的な報道もある」といった内容の日本人の文章を読んだことがある。アメリカで当時から反対論があったのは確かだが、はたして invade という単語は否定的な意味を持っているのだろうか。 関連する英語に触れているうち…
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気になる直訳の定着

先日、自民党総裁選で福田さんがリードしていることにからめて、「圧勝」を表す表現をいくつか書いたが、蓋を開けてみたら、福田さんは勝ったものの、麻生さんがかなり健闘し、landslide といった表現は適切ではない結果となった。それはともかく、この単語については、かなり前から、「地すべり的勝利」という訳が目につくように思う。 果たして…
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「ご静聴ありがとうございました」?

パワーポイントを使ったプレゼンテーションの最後に、「ご静聴ありがとうございました」というスライド表示が出てきた。何だこれは、と思ったが、同席していた後輩に聞くと、「何かおかしいんですか?」というつれない反応である。 「静聴」を使うのは、「ご静聴願います」などという場合で、締めくくりの言葉ではないはずだ。英語だったら、Thank y…
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「エントリ」か「エントリー」か

entry にはいくつかの意味があるが、ブログの個々の日記を指すのにも使うことができ、日本語でも「エントリ」と呼ばれている。 言葉についての鋭い観察をブログに綴っていらっしゃる実務翻訳者のたんご屋さんが、最近この「エントリ」について書いておられる(カタカナを好まないというたんご屋さんは、この言葉を避けて「記事」を使っているという)…
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「ワトソン」か「ワトスン」か~「慣用表記」とはいうものの…

前回は、シャーロック・ホームズの小説「緋色の研究」の原題にある study をめぐって、慣用的な訳と違う解釈があることについて書いたが、「慣用」といっても、ひとつに定まっていない場合があるのでやっかいだ。ホームズの友人で物語の語り手の Dr. Watson がいい例である。 いま手に入る「ホームズもの」の翻訳は、ほとんどすべてが「…
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