funny ha-ha, funny peculiar

衛星放送などからビデオデッキに撮り溜めている映画のうち、オードリー・ヘップバーンとフレッド・アステアが共演している「パリの恋人」を観た。原題は "Funny Face" である。そこで funny について連想したことをちょっと書いてみたい。

この作品はミュージカル映画だが、タイトルと同じ名前のナンバーがあり、

- I love your funny face. Your sunny, funny face. For you're a cutie, with more than beautie. You've got a lot of personality. (中略) I love your funny face. Your sunny, funny face. You're not exotic, but so hypnotic.

と歌われる。ここでの funny face は、本当に「ヘンな顔」というわけではなく、個性的な容貌を親しみをこめて呼んでいるのだろう。以前書いたことがある "My Funny Valentine" も連想する。make funny faces とすれば、「おどけた顔をする」といったところか。

もうひとつ、face を離れて頭に浮かぶのが funny ha-hafunny peculiar という言い回しである。ネイティブにとっても、異なる2つの意味のどちらなのか、わかりづらいことがあるらしい。

辞書には次のような説明がある。ちなみに ha-ha は後ろの ha に強勢がつけられている。

- used when someone has described a person as 'funny' and you want to know whether they mean 'amusing', ('ha-ha'), or 'strange' ('peculiar'):
"She's a very funny woman." "Funny ha-ha or funny peculiar?"

- ORIGIN coined by Ian Hay in his novel Housemaster (1936)

Wiktionary にはいろいろな実例の引用が載っていた。
http://en.wiktionary.org/wiki/funny_ha-ha

私は実際に使われたのを何かで聞いて覚えたのだが、ある辞書には、アメリカ英語だと funny peculiar ではなく funny weird [strange] というと書かれている。してみると私が聞いた話者はイギリス人だったのだろうか。

私が持っている中辞典レベルの英和辞典のうち、この表現を収めているのは「レクシス」で、funny の項に (Do you mean) funny peculiar or funny ha-ha? という文を載せたうえで、「『結構』って[いい]ってこと、[いらない]ってこと、と尋ねるような質問に相当する」という説明をつけている。

「結構」をひきあいにしてもそれこそ結構だが、考えてみれば「おかしな」も funny と同じで、「思わず笑いたくなる、こっけいである」のほか「普通と違う、変わっている」という意味がある。そういえば以前、やはり紛らわしい2つの意味を持つ deceptively という単語を取り上げた際、日本語の「適当」のようなものだろうか、と書いたことがあった。こうした単語に触れるたびに、言葉の面白さを実感する。

"Funny Face" は、オードリー・ヘップバーンの主演作の中で大傑作といえるかどうかはわからないが、あのフレッド・アステアも出演していて、文句なしに楽しめるミュージカル映画だと思う。英語もわかりやすい。

次回も、この映画にからんで書くことにしたい。


パリの恋人
オードリー・ヘプバーン, フレッド・アステア, ケイ・トンプソン, ミシェル・オークレール, スタンリー・ドーネン

参考エントリ:
「ジャズの英語」
deceptivelyにだまされるな
speak, tell, talk 雑記
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