「嫉妬深い」ではないjealous

先日、単純に「ロマンチック」といえない romantic について取り上げたが、男女関係には嫉妬もからむ。そこで jealous である。この単語を「嫉妬深い」「ねたんで」といった訳語だけで覚える人もいるのではと思うが、この他、一見まったく異なるような意味もあるので注意が必要である。

英和辞典を見ると、「油断のない、周到な」「(…を失うまいと)用心して、気を配って」「(権利などを)守るに汲々とした」といった訳が書かれている。英英辞典では、次のように説明されている。

- watchful: possessively watchful of something
keeps a jealous watch on his research

- carefully watchful; vigilant.
a jealous eye on his own possessions

- extremely careful in protecting someone or something:
She is very jealous of her independence, and doesn't want to get married.
Her parents used to keep a jealous watch over her when she was young.

- fiercely protective of one’s rights or possessions:
They kept a jealous eye over their interests.

- solicitous or vigilant in maintaining or guarding something:
The American people are jealous of their freedom.


ずっと前のことになるが、ある翻訳を読んでいたら「嫉妬深く見つめる」と書かれたところがあって、状況にそぐわず変だなと思った記憶がある。何の本だったか忘れてしまい確かめようがないが、原文は watch with a jealous eye のような言い回しだったのではないか。その時は比喩的な表現かと思った程度だったが、ついでに英語の辞書を引いていたら、上記の jealous の意味をもっと早く知ることができたかもしれない。

ところで jealous の語源を見たら、zeal、zealous と関係があることを知り、あっと思った。道理で綴りも似ているわけである。そして、jealous の「嫉妬深い」も「用心して」も、つまりは何かに熱中し、のめりこんだからそうなるわけで、実のところ底ではつながっているらしいことに気づかされる。


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