「ジャパン」と「ニッポン」(exonym)

前回取り上げた eponym と響きが似た単語に exonym がある。これは、地名に関する「言葉についての言葉」で、「現地音とは違う、外国人がつけた地名」のことを指すという。逆に、自国人が呼ぶ地名を autonym (あるいは endonym) というのだそうだ。

「日本」を例にすれば、Nippon や Nihon が autonym、Japan や Japon などが exonym になる。次のような実例があった。

- The English word "Japan" is not the name used for their country by the Japanese themselves: it is an exonym.

London や Deutschland が autonym で、それぞれ、フランス語の Londres、英語の Germany は exonym である。アフリカの国コートジボワールは、英語では Ivory Coast だが、正式名称は Côte d'Ivoire なので、exonym ということになる。

現地での正式呼称が、日本語や英語などから想像するのとは似ても似つかない国もある。私が訪れたことのある国のうちでは、ギリシャとエジプトは、現地の人に聞いた音をカタカナで我流で書くと、それぞれ「エリニキ」「ミスル」であった。他に比較的知られているのは、フィンランド(「スオミ」)、ハンガリー(「マジャル」)だろうか。

国や団体によっては、「外国からも自分たちと同じように呼んでもらおう」とする動きがあるそうだが、一方で、「どの国のことかわかってもらえない」として、消極的な考えもあるという。難しいものである。

そういえば日本の外務省は、以前、海外の一部の地名について、慣用などとも違った独自の呼称を使っていた。例えば先のコートジボワールは「象牙海岸」、ヨルダンは、この慣用的な表記や原音とも異なる「ジョルダン」で、まごついたものである。いまでは、いずれも慣用的な呼称に改められている。


参考:
eponym(人名に由来する単語)
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