「少年老い易く学成り難し」(brevity)
ある英単語がラテン語に由来することを知っていると学習の手助けになることがある。そんな例として、brevity という単語を取り上げてみよう。
「(時の)短さ」、また「(表現の)簡潔さ」ということだが、この名詞をご存じなかったという人は、綴りが少し似ている形容詞の brief と結びつけて覚えるのはどうだろう。綴りも意味も似通っているのは、語源が共通しているので当然といえば当然だ。
もうひとつ、ちょっと「お勉強」になるが、よく知られた名言と結びつけて、いっしょに覚えることもできそうだ。ラテン語の "Ars longa, vita brevis" とその英訳の "Art is long, life is short." がそれである。
ラテン語を知らない私にも、比べてみれば ars と art、longa と long の関連は明らかだ。vita と life は似ていないが、英単語の vital や vitality を思い浮かべればつながりがわかる。そして brevis と short が対応することになるが、brevity や先の brief をさかのぼると、この brevis に行き着くわけである。
ここで brevity がどう説明されているか、ネットの辞典で確かめてみよう。
さて、"Ars longa, vita brevis" は、私の使っている電子辞書にある2つの英和辞典に、このラテン語の形で載っていた。
つまり、もともとは「芸術」ではなく「医術」であり、技術の修得についての言葉だったのが、芸術の永続性について語ったと受け取られるようになったわけである。ヒポクラテスのもともとの言葉はギリシャ語だった。この変容が翻訳によってもたらされたのかどうかはわからないが、面白いものである。
脱線だが、「音楽の父」バッハの "Die Kunst der Fuge" という作品は、"The Art of Fugue" が英語の定訳だが、日本語では「フーガの技法」となっている。バロック時代、音楽家は「芸術家」ではなく「職人」と位置づけられていたそうだが、そうした時代の名匠にふさわしい邦題だ。ついでに、今では使われなくなってしまった言葉だが、フーガを「遁走曲」と訳した昔の人も良いセンスをしていたと思う。
参考:
・「ラテン語・外来語」一覧
・ラテン語由来の単語をいくつか
「(時の)短さ」、また「(表現の)簡潔さ」ということだが、この名詞をご存じなかったという人は、綴りが少し似ている形容詞の brief と結びつけて覚えるのはどうだろう。綴りも意味も似通っているのは、語源が共通しているので当然といえば当然だ。
もうひとつ、ちょっと「お勉強」になるが、よく知られた名言と結びつけて、いっしょに覚えることもできそうだ。ラテン語の "Ars longa, vita brevis" とその英訳の "Art is long, life is short." がそれである。
ラテン語を知らない私にも、比べてみれば ars と art、longa と long の関連は明らかだ。vita と life は似ていないが、英単語の vital や vitality を思い浮かべればつながりがわかる。そして brevis と short が対応することになるが、brevity や先の brief をさかのぼると、この brevis に行き着くわけである。
ここで brevity がどう説明されているか、ネットの辞典で確かめてみよう。
1. briefness: shortness in time
2. use of few words: the economical use of words in speech or writing
[15th century. Via French< Latin brevitas< brevis "short"]
さて、"Ars longa, vita brevis" は、私の使っている電子辞書にある2つの英和辞典に、このラテン語の形で載っていた。
- (ことわざ)「芸術は長く人生は短し」 もとは技術[医術]を修得するのには長くかかるから時間をむだにしないで励め(Hippocratesの言葉)の意。今は「芸術の生命は長い」ととる人もある
(ジーニアス英和大辞典)
- 「芸の道は遠く人生は短し;芸術は長く人生は短い」
(本来は Hippocratesが医術を修めることの難しさをたとえて言ったことばに由来)
(リーダーズ英和辞典)
つまり、もともとは「芸術」ではなく「医術」であり、技術の修得についての言葉だったのが、芸術の永続性について語ったと受け取られるようになったわけである。ヒポクラテスのもともとの言葉はギリシャ語だった。この変容が翻訳によってもたらされたのかどうかはわからないが、面白いものである。
脱線だが、「音楽の父」バッハの "Die Kunst der Fuge" という作品は、"The Art of Fugue" が英語の定訳だが、日本語では「フーガの技法」となっている。バロック時代、音楽家は「芸術家」ではなく「職人」と位置づけられていたそうだが、そうした時代の名匠にふさわしい邦題だ。ついでに、今では使われなくなってしまった言葉だが、フーガを「遁走曲」と訳した昔の人も良いセンスをしていたと思う。
参考:
・「ラテン語・外来語」一覧
・ラテン語由来の単語をいくつか
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