「ぼけ」と「つっこみ」を英語でどういうか

先日、花ではない「さくら」にあたる表現のひとつとして紹介した stooge には、「ぼけ役」という訳語も辞書に載っている。そこで、「ぼけ」「つっこみ」にあたる英語があるのか、少し調べてみた。

この stooge だが、英英辞典では、

- a performer in a show whose role is to appear silly so that the other performers can make jokes about him or her

などと定義されていて、なるほど、「ぼけ」を示すのに使えそうな気がする。

今度は逆に、和英辞典で「ぼけ」を引いてみた。私の使っている「研究社新和英大辞典第5版」には、stooge はあげられていないが、a fool play the fool という訳が載っている。

さらに、「ぼけとつっこみ」としては the fool and the straight man (of a pair of stand-up comedians) とあった。また「つっこみ」の方を引くと、(play) the straight man と書かれている。

ところが、straight man を英和辞典で引きなおしてみると、「つっこみ」ではなく、こちらに「ぼけ、引き立て役」という訳をつけているものが複数あった。いったい、どっちがどっちなのだろうか? 

英英辞典で straight man を調べると、

- the person in a comedy duo who speaks lines that give a comedian the opportunities to make jokes

- a person in a show whose role is to provide the main entertainer with opportunities to make jokes

などとある。漫才では、2人のどちらが "make jokes" しているのか、どちらが "main entertainer" なのか、を単純には決められないこともあるのではないかと思う。こうした定義を読んでいると、場合によって「ぼけ」にも「つっこみ」にもあてはまるような気もしてくる。

漫才の笑いを生むうえでは、2人の interaction が重要であるように思うし、そもそも日本のお笑いの「ぼけ」と「つっこみ」という概念を、ある英単語に当てはめようとするところに無理がありそうだ、と考えたりもする。とすれば、平凡な結論だが、straight man などの単語と1対1の対応をさせないほうがいいのかもしれない。

ちなみに、「ぼけ」や「つっこみ」を避けて、「まじめ役」という訳を straight man につけている辞書もあった。

私は日本のお笑いものに詳しいわけではないので、「ぼけ」「つっこみ」について、とんでもない思い違いをしているかもしれない。おかしな点があったらご指摘いただけたら幸いである。

参考:
「さくら」は英語で何という?
「辞典のここが不満」一覧