ビートルズのbiography読了

これまでいくつかの英語表現を紹介してきた the Beatles の伝記"The Love You Make"を読み終わった。さすがにもう過去の存在になりつつあるのかもしれないが、私は十代前半の頃、毎日のようにビートルズを聞いていた。

メンバー4人の生い立ちから始まって、グループの結成と世界制覇、そして解散まで、60年代を駆け抜けた波乱万丈の活動とそれぞれの生活を豊富なエピソードで描いたあと、さらに解散後の4人に触れ、80年の衝撃的なジョンの殺害で全体が閉じられる。

著者は「ジョンとヨーコのバラード」の歌詞にも出てくる Peter Brown である。ビートルズのマネージャー Brian Epstein の知人で、彼が急死したあとグループの仕事に関わった、いわば「身内」といえる人物だ。

そこで時々、「ここで初めて明かすエピソードだが」といったフレーズが出てくるが、キワモノの暴露ものという感じはせず、逆に4人を偶像化しているわけでもなく、読みごたえがあった。

4人をまとめていたエプスタインが67年に事故死したあと、メンバー間の方向性にズレが浮かび上がり、グループのマネジメントも混乱するようになった。そうした時期を身近に見ていた著者による描写は時に痛ましくもある。ドラッグの傾斜を深め、奇矯とも取れる行動を取る4人と、そんな彼らを利用しようと群がる人々。グループに関わるようになったオノ・ヨーコがもたらした混乱。そして金銭面での破綻。

一方で、芸術家ジョン、エンターテイナーのポール、求道者ジョージ、常識人リンゴの組み合わせは、グループとして一種絶妙で、そうした4人が音楽面であくなき向上を目指したことが成功の一因だったことがうかがえる。もっとも、著者ブラウンは、クスリにのめりこんだことが彼らの創造力を刺激したという見方を示していて、それはそれで哀しいものを感じた。

英語の面では、特にスラングが続出するわけでもなく、読みやすいものだった。実際に執筆したのは共著者として名前があげられている職業ライターだと思うが(ゴーストライター扱いにしなかったのが面白い)、そのためか、cliché を含めた「うまい」英語表現があちこちで使われている。

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