辞書にない「ネタばれ」のspoiler

前回は名詞の spoil の思わぬ意味について書いたが、関連する単語として spoiler について書いてみたい。spoiler warning (ネタバレ注意)などとして、ネットでもよく目にする単語である。

この「ネタばれ」、もうかなり以前から定着している日本語だと思うが、書店で比較的新しい英和辞典を見ても、spoiler の訳語にこれを載せているものは皆無ではなかったが非常に少なく、ちょっと驚いた。

この意味に沿うものとしてほとんどの英和が載せていたのは、「興味を損なう情報」といった説明的な訳語だった。ある辞書は「スポイラー」という航空用語のようなカタカナ語をあて、それに「小説や映画などの一番盛り上がる結末などを不用意に述べ、他の人の楽しみを奪ってしまうもの」といった説明を補っていた。

「ネタばれ」は、とびぬけた流行語の類とは思われず、中年世代の私も普通に使っている。英和辞典の執筆者には私と同年代の人もいるはずだが、なぜ「ネタばれ」が採用されていないのだろうか。「ネタ」はもともとは隠語というので、辞書に載せる訳語としては適さないと、どの辞典の執筆者もこぞって判断したのだろうか。

ちなみにある英和辞典は、「ネタバレ」はなかったものの、「つや消し」という訳語を載せていた。うまい訳だとは思うが、今、比喩的な意味で「つや消し」という言葉がどれくらい使われているのだろうか、という疑問も湧いた。

参考:
「ダメにする」ではない spoil
「辞典に載っていない説明」一覧