「旧約聖書」関連の単語から

以前、仕事で中東に行った時に、宗教にからむいくつかの英単語や知識を付け焼刃的に覚えたが、後のちに英語や異文化理解の上でいろいろ助けになった。少し前にも「黙示録」に関連する表現について書いたが、前回取りあげた Newsweek の記事に旧約聖書の「申命記」 Deuteronomy が引用されていたことを機に、忘れかけているこのへんの単語をおさらいしてみた。

「申命記」を含む旧約聖書の最初の5つの文書は、まとめて「モーゼ五書」 the Five Books of Moses という。the Pentateuch ともいわれる (penta- は「5」である)。ユダヤ教では the Torah 「律法」 と呼ぶという。5つの文書とは、

創世記 Genesis (the First Book of Moses、以下同様)
出エジプト記 Exodus
レビ記 Leviticus
民数記 Numbers
申命記 Deuteronomy       

これに続くヨシュア記 Joshua を加えると、the Hexateuch 「六書」と呼ぶとのこと。

ユダヤ教では旧約聖書が聖典になるが、全体を3つに分けているという。the Pentateuch のあとに多数の預言者の書が続くが、この部分をまとめて the Prophets、さらに残りの部分を the Hagiographa と呼ぶ。hagi- はギリシャ語の hagios からで、holy の意味。

この the Hagiographa には、詩篇 the Psalms や雅歌 the Song of Solomon、哀歌 the Lamentations of Jeremiah など、文学や音楽等でしばしば引用される書が含まれている。

このうち「われらバビロンの河のほとりにすわり シオンをおもいいでて涙をながしぬ」で始まる詩篇137編は、特によく目にするように思う。単に好みの問題ではあるが、私としては、日本語で読む時にはこうした文語訳の方が口語訳よりも味わい深い。この冒頭の英訳も掲げておこう。

- By the rivers of Babylon we sat and wept when we remembered Zion.
(New International Version)

- By the rivers of Babylon, there we sat down, yea, we wept, when we remembered Zion.
(The King James Version)

旧約聖書といえば、イスラエルを訪れた時に、「死海文書」 を博物館で見た。この文書の発見の経緯やその後の研究・解釈をめぐる論争などについては、いろいろ面白そうな本が出ているが、まだどれもまともに読んでいない。日本では「死海写本」とも呼ばれており、写本には codex という単語があるが、英語では通常 the Dead Sea Scrolls と呼ばれている。


参考:
・数にちなむ表現 一覧
・聖書・シェイクスピア 一覧