「ゼロは複数」という英語の不思議

先日、「黙示録」に関係する the Four Horsemen, the Fifth Horseman といった表現を紹介したが、これを機会に、自分の学習メモなどを元に「数字が出てくる単語・表現」を復習することにした。その中から、面白いと思ったものをここで取り上げていきたい。まずは「ゼロ」から、ということで zero tolerance から始めよう。

この表現は、

- extreme intolerance of anti-social behavior (usually by an uncompromising application of the law)
- strict enforcement of the law regarding any form of anti-social behaviour

などと辞書に説明されている。例としては、こんなものがあった。

- Moderates must adopt a zero-tolerance policy on terrorism, regardless of what they think of Iraq, Palestine or any other policy issue.

- University of York researchers call for ‘zero tolerance’ on road deaths.

- New York City's famed policy of zero tolerance for low-level misdemeanor street crimes has moved into the home.

なお tolerance は不可算名詞だが、zero に続く可算名詞は、zero degrees のように、通常複数形になる。ゼロなのになぜ複数になるのか、少なくとも私の感覚では不思議かつ面白い。

ついでだが、小数も、1より大きい時は複数が普通である。一方、1より小さい値では単数または複数どちらでもいいという。「表現のためのロイヤル英文法」には、「可算名詞で単数形をとるのは1だけと覚えておくのも実用的」と書かれていた。

なお、数字の中の小数点は three-point-two のように "point" と読むが、"decimal "という言い方もあるようだ。私はTVドラマでコンピューターが合成音声でこういっている場面があって覚えたのだが、特殊な呼び方なのだろうか。

手持ちのある辞書で decimal を引いたら、「十進法(の)」とか「小数(の)」という意味は載っていても、小数の「テン」をこう呼ぶことは書かれていなかった。ちなみに「小数」は decimal fraction で、「小数点」は decimal point である。同じ「テン」でも dot については、以前書いたことがある

最後に、日本語で「ゼロ」というため、私もそんな風に発音しがちでいつも反省しているのだが、正しくは /zi:rou/ である。/i:/ のあとにあいまい母音が入ることもあるが、いずれにせよ強勢がある最初の母音は口をしっかりと横にひっぱって発音しなくてはならないわけだ。


参考:
・数にちなむ表現(一覧