buyer beware, caveat, caesarean section

前回の buyers' remorse に関連して思い出したのが、Buyer beware. で、「買うときには気をつけて、買った後では遅い」という注意の呼びかけだ。

let the buyer beware は、ラテン語の caveat emptor の英訳で、「買い手がリスクを負う」という原則、とのことである。売り主は商品・物件の状態について保証する義務はなく、その状態を取引前に調べて確かめるのは買い主の責任であるという考え方で、現代では一部の取り引きを除いて適用されなくなった。

ついでだが、buy a pig in a poke は、中身や実物を確かめずに購入すること。Don't buy a pig in a poke. などと使われる。

一方、caveat venditor (let the seller beware) だと、売り主が品質を保証する原則となる。

- They are believed to conduct their affairs of commerce on the ancient principle "Caveat Emptor" - "Let the buyer beware."

また、caveat lector (let the reader beware) は、読者に対する注意のことで、これは私も英文を読んでいて見たことがある。

- Caveat lector: the following is a spoiler for those who haven't seen the film.

ついでに、spoiler は「ネタばれ」だが、さらにここから連想した単語が disclaimer 、「免責条項」といった訳しかない辞書もあるが、「おことわり」という訳で十分なケースもあると思う。

caveat は英語として、法律用語の他、一般的に something said as a warning, caution, or qualification という意味もある。次の例はウォーターゲート事件の「ディープスロート」が正体を明かしたことについての記事で見つけた。

Woodward would sometimes begin these conversations with a caveat, saying, more or less, "Just because I'm talking to you, I'm not admitting that he is who you think he is."

最初に出てきた beware つながりで、"Beware the Ides of March." は、シェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」にある占い師の「3月15日には気をつけよ」という警告。結局この日にカエサルは暗殺されることになる。日本語では「イデス」と訳されることもあるが、英語の発音は /aidz/ のようになる。

ついでに caesarean section は「帝王切開」だが、あるネイティブ向けの本には caesarean の綴りについて、「caesarian と間違いやすい」という注意があった。またこの単語は、cesarean という綴りもあり、さらにどちらも、最初の c が大文字で書かれることがあるようだ。大文字だと「カエサルの」ということであり、帝王切開には小文字を使う、という説明を読んだ記憶もあるが、現実にはその通りに使われているとはいえないように思う。

ちなみに「シーザー・サラダ」 Caesar salad は、店の名前に由来し、カエサルと直接の関係はないようだ。


参考エントリ:
buyers remorse
辞書にない「ネタばれ」のspoiler
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