It's all yours.

このところ you について書いている流れで、今回は yours が出てくるこのフレーズを取り上げてみよう。これも辞書では見つからなかったが、活字がきっかけだった前回の表現と違って、ネイティブスピーカーから言われて覚えたものだ。

以前仕事で、ネイティブの proofreader が訂正した英訳文書をチェックした時のことだった。こちらの意図とズレた形で直されていないか目を通したのだが、いくつか疑問点があったので、ネイティブ氏のところに再度文書を持っていって説明し、必要なところを修正してもらう。手直しがすべて終わった原稿を手に彼が私に言ったのが、この "It's all yours." だった。こんな言い方をするのか、と思った。

私が持っている辞書は、これを決まったフレーズと見なしていないのか、どれも記載がなかったが、ネットに次のような説明があった。

It's all yours.

Function: We use this expression to say that something now belongs to someone, or that they can use it now.

Example 1:
A: Have you finished with the computer?
B: Yes. It's all yours.

Example 2:
A: Can I borrow that dictionary?
B: Sure. It's all yours.

( http://www.languageproject.co.uk/learn_english/phrase_of_the_day.php?getphrase=Submit&phrase_day=2&phrase_month=9 )

こうした説明はあるが、これを読んだだけで、かのネイティブ氏が英文をチェックした時のような状況に自分が置かれた時に、この表現がすっと口をついて出るようになるとは思えない。またネットで見つけた別の説明によると、この表現は、コピー機を使い終わった人が、順番待ちをしている次の人に対して使うことができるそうだ。

こういった日常表現の使いこなしは、実際に生活の場で体得しないと感覚的にはつかめないものだろう。日本に住んでいるとほとんど無理な相談に思えるが、知らないよりはまし、ということで自分を慰めるとしよう。

ついでに目にとまった、you や yours を含む短い表現を書いてみよう。

- I'm all yours.

主語が I になると、「話の相手をします」「話につきあいますよ」という意味になるという。相手の話を聞くという点で、I'm all ears. という表現とちょっと似ているようで、面白い。

- It's you.

服装などが「似合っている」「あなたにぴったりだ」ということ。これは知っていた。

- You and who else? または You and what army?

脅しやケンカを吹っかけられた時に、「一人で大丈夫か?他に誰が手助けに来るんだ?」と相手にやり返す言葉だそうだ。つまり、「やるならやってみろよ」ということだろう。これは少し長いし、自分で使うことは一生ないだろうが、面白いので書いてみた。


参考:
村上春樹の「総称のyou」論
You and your ...