Billary Clinton

Hillary の誤記ではない。カタカナなら「ビ」ラリーである。いや、確かにかつてのアメリカのファーストレディーにして現上院議員、そして次期大統領選挙の有力候補者のことではあるのだが。

もちろん、旦那の名前にひっかけたもので、一種の portmanteau (2語を混ぜ合わせた単語、かばん語)といえるだろう。別に最近できた呼称ではないのだが、大統領選挙への関心が高まるにつれて、見聞きする頻度も増えるような気がする。

Wikipedia の Hillary Rodham Clinton の項には、次のような説明がある。ここでの Clinton は、旦那ではなくヒラリーのこと。

Supporters pointed out that Clinton's role in policy was no different from that of other White House advisors and that voters were well aware that she would play an active role in her husband's Presidency. Bill Clinton's campaign promise of "two for the price of one" led opponents to refer derisively to the Clintons as "co-presidents", or sometimes "Billary".

( http://en.wikipedia.org/wiki/Hillary_Rodham_Clinton )

"two for the price of one" とは、「1個のお値段で2個手に入ります」ということだろう。いかにヒラリーの存在感が大きかったか、また女癖の悪い旦那が(少なくとも政治的な面では)いかに彼女を武器にしていたか、ということを示しているようだ。

"Billary" は、ヒラリーを揶揄したり批判したりする際に使われることが多いだろうし、実際ネットでヒットしたのは、個人的な意見を表したブログが目立った。そうした実例をここで引用するのは見合わせるので、興味のある方は調べていただければ、と思う。マスメディアの一般の記事でこの語が使われるのは、事実を説明する場合や、他人の発言の引用がほとんどではないだろうか。

もうひとつ、こんな戯画もあった。
http://www.grazeit.com/Backpage.asp?BPID=639&FilterBy=note&PID=1979

さて、民主党の有力候補といえば、ほかに Barack Obama があげられる。しかし、純粋のアフリカ移民の末裔ではないことやエリート色の強い経歴からか、"He's not black enough." といわれるなど、今の時点ではヒラリーの支持の方が高いようだ。


今回も、旦那と立場を入れ替えての "get two for one" 戦略で有権者にアピールを狙うのだろうか。最近の Newsweek 誌は、旦那について、"His New Role" という記事を書いているが、副見出しは、"It's another first: the spouse of an ex-president running for the White House. What role is he playing, and what would he do as, yes, 'First Gentleman'?" だった。
http://www.msnbc.msn.com/id/18758001/site/newsweek/


参考:
「辞典に載っていない単語」一覧
「帽子」ではないcap
Artful DodgerとSlick Willie
クリントンの「不適切な関係」

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