「ダ・ヴィンチ・コード」より面白かった「天使と悪魔」

かの大ベストセラー 「ダ・ヴィンチ・コード」 The Da Vinci Code の陰に隠れた感がある(と少なくとも私は思っている)のが、主人公 Robert Langdon が初めて登場する、この「天使と悪魔」 Angels & Demons である。ペーパーバックを少し前に読んだが、このほど映画化が決まったと聞き、どうしてこれまでもっと話題にならなかったのか、と改めて不思議に思った。

"The Da Vinci Code" は、確かにおもしろく読めたが、スリリングさ等の点では、先に書かれたこの "Angels & Demons" のほうが勝っていると感じた。事件を解決しなくてはいけない刻限が切られているうえ(それまでの時間も短い)、カタストロフィまでのカウントダウンがどんどん進むのに謎は深まるばかり、という感じで、ストーリーがあれよあれよと展開していく。

舞台はヴァチカンに設定されていて、"The Da Vinci Code" のように、キリスト教などについて薀蓄を豊富に傾けている。科学と宗教との対立を描く一方で、ちょっとSF的な展開もあるのが "The Da Vinci Code" より荒削りといえそうで、そこで好みがわかれ、人気も今ひとつ盛り上がらないのだろうか。

映画は、やっぱりトム・ハンクスが起用されるのだろうか。"The Da Vinci Code" の映画は未見なので確たることはいえないが、個人的には、トム・ハンクスは2作で描かれている Langdon 先生から受けるイメージとはどうも合わない感じがする。でも、あまり他の人に知ってほしくない、という esoteric な類のものとは逆の、「あの本読んだ?」と周りに聞いて回りたくなるタイプの作品なので、映画化は素直に喜ぶことにしよう。

小説には、実在のヨーロッパの物理研究所CERNが出てくるが、現場でロケが行われたら面白いと思った。ヴァチカンは無理かもしれないが、CERNは公式サイトでちゃんとこの作品について触れている。
http://public.web.cern.ch/Public/Content/Chapters/Spotlight/SpotlightAandD-en.html

お堅いイメージのある研究所のこうしたサービスは愉しく、映画のロケが実現する可能性があるかもしれない。


Angels & Demons
Angels & Demons
Dan Brown
Pocket Star


参考エントリ:
「ペーパーバック紹介」一覧