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zoom RSS そんなバカな! (Pigs could fly.)

<<   作成日時 : 2009/01/20 08:03   >>

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CD店をぶらぶらしていたら、「ブタが飛べた」という邦題の帯がついた輸入盤が目にとまった。瞬間的に、原題は Pigs could fly. というイディオムに違いない、と思った。ジャケットを見たら、羽根の生えたブタが飛んでいる絵とともに、まさしくこの英語が書かれていた。

この表現、「まさか」「信じられない」といった意味である。CDは買わなかったが、帰りの電車の中であらためて電子辞書を引いたら、「ジーニアス英和大辞典」は、Pigs might [could] fly (if they had wings). の見出しのもとで Pigs will fly before he becomes a doctor. という用例を載せていた。さらに他の辞書を見ると、may や can を使った形も載っており、助動詞は could に限らないことがわかる。またイギリス英語の表現であるという説明もあった。

家に帰って、私が使っている紙の辞書(学習用英和辞典)を見たら、「アンカーコズミカ」は、Pigs might fly (if they had wings). として、

- 【豚だって(翼があれば)空を飛ぶ】→[おどけて](意外なことに出会ったときに)不思議なこともあるもんだ;とんでもないことだ、まさか;(皮肉っぽく)そんなことあるわけないが(((米))ではしばしば when pigs fly という)
"With a little luck, we'll be finished by spring." "Yeah, when pigs fly (we will)."

また「レクシス」は、アメリカ英語の When pigs fly. の方を見出しにして、

- そんなことがあるものか;とんでもない(強い拒否や否定を表すユーモア表現.= In a pig's eye. = ((英)) Pigs might [OR can] fly.)

と書いていた。どちらも、電子辞書収録の辞書よりも長めに記述している。

飛べない生物は人間を含めて種々あるだろうに、ブタをもってきたところが面白いと思ってネットで調べると、由来をこと細かに説明したものはなかなか見つけられなかった。ただ、スコットランドの古いことわざから来ていること、またルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」でも言及されている表現であることが共通して書かれていた。例えば、次は Wikipedia の説明の一部である。

- The idiom is apparently derived from a centuries-old Scottish proverb, though some other references to pigs flying or pigs with wings are more famous. Here is one such reference from Lewis Carroll:

"Thinking again?" the Duchess asked, with another dig of her sharp little chin.
"I've a right to think," said Alice sharply, for she was beginning to feel a little worried.
"Just about as much right," said the Duchess, "as pigs have to fly...."
- Alice's Adventures in Wonderland, Chapter 9.

(http://en.wikipedia.org/wiki/When_pigs_fly)

さて、今回店頭で見つけたCDはイギリスの児童合唱曲集であった。収録曲のひとつが "Pigs Could Fly" で、CD全体のタイトルにもなっている。

歌詞を見ていないので何ともいえないが、ジャケットの絵から想像すると、実際にブタが飛んだというような内容で、それをイディオムにひっかけたのだろうか。あるいは、このCDには同じ Howard Skempton が作曲した "Alice Is One" という曲が収められているので、やはり「アリス」と関係があるのだろうか。このCDを購入された方、また作品に詳しい方がいたら、教えていただければ幸いである。「ブタが飛べた」という邦題ではイディオムの意味は伝わらないが、目を引くことは確かだし、さらに絵を考えれば仕方がないことかもしれない。

さて、ここまで書いたら、このイディオムを以前取り上げたことがあるような気がしてきた。調べたらその通り、去年のアメリカ大統領選挙で話題になった put lipstick on a pig について書いたときに関連で短く触れていた。

再度取り上げるのもどうかと思ったが、せっかくここまで書いたことだし、ブタのCDのこともあるので、結局掲載することにした。それにしては記憶力の衰退が悲しい。


参考エントリ:
オバマ候補の「豚に口紅」 (辞書に載っていない表現)
「2008年英単語大賞」は bailout
充実の「アンカーコズミカ英和辞典」

「ブタが飛べた」20世紀の児童合唱集
Naxos

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ご無沙汰してます!トンカツかと思いました!ジャケットかわいいですね。
サンディ
2009/01/20 19:22
サンディ さん、私もジャケットのイラストを見て、日本のCDかと一瞬思いました。ブタをかわいく描くというのは、英語圏も共通したところがあるのですかね。
子守男
2009/01/22 00:11
そんなバカな! (Pigs could fly.) 英語の海を泳ぐ/BIGLOBEウェブリブログ
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