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zoom RSS 派手さはなかったオバマ就任演説

<<   作成日時 : 2009/01/22 08:36   >>

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演説は抑え気味、やや盛り上がりに欠けたというのが、オバマ新大統領の就任式を見た直後の正直な感想だった。実際に熱狂渦巻く会場にいたら違った印象を持ったのだろうが、テレビで演説だけを見た限りでは、新大統領が直面する現実、課題の大きさをあらためて思い起こさせるものに感じられた。

式典が日本時間の未明で私も眠かったせいかと思ったが、半日以上経ち、仕事から帰宅してもう一度ネットで聞いても印象は変わらなかった。選挙戦でのいくつかの演説にあった、熱気や余裕のようなものは抑えられていたと感じた。演説の名手にしては、多少緊張していたのか、やや平板で、ところどころ早口気味、歯切れがいまひとつではと思われるところもあった。

http://abcnews.go.com/Politics/Inauguration/Story?id=6689022&page=1

もちろん、選挙戦と就任式は性格が違う。大統領となった今、大風呂敷を広げるのでなく、現実の厳しさに目を向けさせることに軸足を移していたように思った。いつまでも「宴」に浸っているわけにはいかないということだろうか。

今回の演説は、マスメディアやネット上でも随分と持ち上げられているようで、私がへそ曲がりなだけかもしれないが、オバマ氏に対しては、そもそも就任前の期待値が高すぎ、理想化する早まった動きが目立つという印象をずっと持ってきた。政治家として長い経験や実績があるわけではない。なのに日本でも一部に(演説上手であることに影響されてか)彼を有能な政治家や人格者のようにとらえる見方があるのが気になる、と以前書いたこともあった

現実には、すべての期待を満足させることなど不可能だ。オバマ氏もそれを知らないはずはなく、自分自身がまき起こした熱を抑えるようなトーンを今回あえて選んだのではないかとも考えた。また、これまでの「変革」よりも「責任」を訴えていたのが印象に残った。これはケネディの就任演説を意識したものかもしれないが、同時に、今後アメリカの市民に痛みを強いる現実に対して心構えを求めるものでもあったのではないか。

手腕は未知数ながら、今後に期待を抱かせる、あるいは、そう思わせるだけの何かを持った人物であることは確かだろう。そのオバマ氏が説いてきた change とは、まず彼が大統領になること、アメリカが彼を大統領に選ぶこと自体がその象徴であり、第一歩であったように感じる。それが果たされた今、今度はオバマ氏が、内外の高い期待にどう応えて、どのような change をもたらすのかが問われる番である。思っていたより抑えたトーンを感じた就任演説を見て、そんなことを考えた。



過去のオバマ関連エントリ:
閣僚の「身体検査」の英訳
signed, sealed, and delivered
shining city on a hill (辞書に載っていない表現)
オバマ候補の「豚に口紅」 (辞書に載っていない表現)
オバマと小浜とnamesake
大統領選のveepstakes (辞書に載っていない単語)
presumptive nomineeとは
筋金入りのcard-carrying
「オバマ氏を小浜市が応援」をめぐる誤(?)報

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