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zoom RSS put into writing, put into words

<<   作成日時 : 2008/12/28 10:36   >>

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「タイム」誌の "Person of the Year" はオバマ氏だった。アメリカで大統領選挙がある年は、そうでなくても勝者が選ばれる傾向にあるが、とりわけ今回は「やはり」という感じである。

私もネットで読むのではなく冊子を一部買ってきたが、長い特集でもあり、まだちゃんと読んではいない。ということで、"Person of the Year" 以外で目についたことについて書く。

最初の方に Verbatim というページがある。この単語は「逐語的な(に)」「言葉通りの(に)」「字句を変えずに」(in exactly the same words as were used originally) ということで、word を意味するラテン語の verbum に由来するのは verb と共通しているようだ。似た言葉に literatim 「文字通りの」があるが、こちらは英英辞典には (of the copying of a text) letter by letter とある。

さて、TIME のページは、最近ニュースになった事柄について、関係者の言葉を引用するものだが、今号はそのひとつとして、北朝鮮の非核化交渉でアメリカの代表をつとめている Christopher Hill 氏の言葉が載っている。最近行われた交渉で北朝鮮は、核開発を放棄したことを検証する方法について文書化することを拒んだ。これについてヒル氏が交渉終了後、次のようにコメントした。

- "The North Koreans don't want to put into writing what they put into words."

アメリカは、以前の交渉で「北朝鮮が核放棄の検証を受け入れることで合意した」ことを理由に北朝鮮を「テロ支援国家リスト」から外し、エネルギー援助の開始に同意した。その具体的な検証手段を話し合うのが今回の交渉だったのだが、結局、入り口でつまづいた形である。

そうしたことはともかく、この "not put into writing what they put into words" という言い回し、面白いと思ったので紹介しておきたい。

これについては、実はさらに書きたいことがある。verbatim というからには、ヒル代表が言った言葉そのままと思いきや、実はそうとも限らないようなのだ。

いくつかのサイトを見ると、交渉が終わった直後に彼が口にしたのは、

- "The North Koreans don't want to put into writing what they are willing to put into words."

とされている。

さらに、ホワイトハウスの報道官が記者会見で、交渉を振り返ってヒル氏の言葉を「引用」しているのだが、そこでは、

- MS. PERINO: I did hear that just before I came down, and Chris Hill made some comments, and one of the things he said was that the North Koreans don't want to put into writing what they've put into words.
(http://www.whitehouse.gov/news/releases/2008/12/20081211-1.html)

となっていて、さらに異なった点がある。

いずれにせよ、TIME 誌の "verbatim" を、どこまで「そのままの言葉」と受け取っていいのか、ちょっと不安も感じた。

さて、北朝鮮が "willing to put into words" だったにせよ、あるいは、"have put into words" だったにせよ、文書化を拒んだことには変わらないわけで、それらしいそぶりを見せながら北朝鮮はずるい、と思うのが普通かもしれない。しかし私にとっては、テロ支援国家解除の際にアメリカの言っていた「合意」が、口約束程度のものだったらしいという点が意外だった。

交渉で玉虫色の余地を残してぎりぎりの線で妥協することがあるのは、何も日本国内に限ったことではないだろうが、それにしても今回は肝心な部分ではないか。それがそもそも明文化されていなかったとは、外交といってもそんなものなのか、あるいは、末期を迎えたブッシュ政権が何かの功績を残したいと焦って「合意」を謳ったものなのか。いずれにせよ、北朝鮮としてはオバマ政権の出方を見ればいいわけで、何も交渉を急ぐ必要はないというということなのだろう。


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